2024年問題

最近、沸々とこの問題が取り上げられてきました。私から言わせると業界の”問題先送り”体質が招いた結果と思う。物流業界の労働時間は、全産業の中でぶっちぎりでワースト1。平均賃金に至っても、全産業の中でぶっちぎりのワースト1。日本の高度成長期では、少なくとも平均賃金はこうではなかった。「短期間でお金を貯めるには運転手」といわれるくらい賃金は高かった。ではなぜ今のように低賃金で長時間労働になったのだろう。これは人により考え方は違うが、私は平成二年に施行された運輸業の規制緩和だ。自由競争が本来の筋だったのかは定かではないが、少なくともこの法律導入後に事業者数は激増し、過当競争が始まった。荷主もそれを良いことに業者に対しての締め付けや、付帯作業の押しつけが始まった。

私も昔物流(某路線会社)の営業をしていた時に、新規荷主から取引の条件であったのが、運賃は当然のことながら付帯作業の押しつけだ。「受付で出荷指示書をもらって倉庫に行き、指定された棚から商品を取り出す。そして自分で荷札を貼って持ち帰ってくれ」だった。荷主としては出荷作業員をおかなくて良いので人件費の削減になる。だからと言って、その分を運賃に上乗せなどしない。逆に今までより運賃を落とさなくてはならない。

まったくふざけた話である。こんな過去が、現在の物流の悪環境にしている。この部分を解決しない限り、労働時間の短縮などは”絵に描いた餅”だ。その為には、物流会社もそれ相応の勉強をしなければならない。物流業界はすそ野が広い。約6.5万社ほどあるが、その99%くらいは中小零細企業だ。まだまだ社長がハンドルを握って作業に明け暮れている。その状況下を変えないと…。運転手は社長の仕事ではない。社長は今の混とんとしている世の中で、もっともっとしなければいけないことがある。そこから逃げている。と言いたい。

私も現在色々な物流会社と行き来しているが、ガチンコで言い合い、理解していただける経営者もおられます。

これを見てくれている物流企業の社長さん。あなたは一人ではないですよ。抱えている問題はあなたの問題ではないです。ましてや恥じるべきことでのないです。もっと気を楽に心豊かに周りに打ち明けましょう。

https://okan-media.jp/logistics-2024issue/

 

2021年05月10日