業界と世間のズレ?
高速道路の割引導入後、この話はその都度取り上げられている。以前は、休日割引なるものがあり、休みの日の行楽地への渋滞は悲惨なものだった。その渋滞の中に、トラックが巻き込まれせっかくの休日を返上しての仕事に水をさしている感が漂っていた。今回の事案も以前からあった。深夜0時を跨ぎ、さらに目的地に早く着きたいという運転手心情が絡んだ結果の渋滞だった。当然目的地に向かうゲートの最終SAやPAはトラックの溜まり場と化していた。一般の方々からすると非常に迷惑極まりない事態だが、なぜそうまでしなければならないかをご理解していただきたい。通常、運転手の給料は歩合が多い。荷主から頂く運賃から高速料金(実費分)を差し引いたものに、各社での係数をかけたのが運転手に支払われる歩合になります。
例えば、大阪から東京に向かう場合、吹田ICから用賀ICになります。その際の大型料金だと19,200円になります。3割引になると13,440円です。 荷主から支払われる運賃が80,000円として、高速料金を除くと60,800円と66,560円になります。会社ごとに独自の係数がありますが、よく耳にするのは20%です。そうすると割引前だと12,160円。割引後だと13,312円。これが運転手への歩合になります。割引前と割引後の差が1,151円になります。当然東京に行くと帰ってくるので、倍の2,304円になります。今ではコンプライアンスの問題で、かつてほど一人で行える長距離の運行は減りましたが、それでも月に8往復をする会社は多いのかもしれません。その場合だと、18,416円も歩合が変わってくるのだから、運転手も必至だ。消費者は単価の安い商品、質の良い商品が出るとうれしいでしょう。しかし、そのコスト吸収を何処がしているのかを考えたことはあるでしょうか?全てとは言いませんが、多くは物流会社にしわ寄せがいっています。そして、物流会社は運転手の給料にしわ寄せを持っていっていることをご理解して、温かい目でトラック運転手を見て頂きたい。
https://news.livedoor.com/article/detail/20133020/